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パラリンピックにみる到来したシンギュラリティ : マルクス・レーム選手のミラクル

シンギュラリティ(技術的特異点がくる日)は、とっくにきているのではないか。

昨夜、パラリンピックの陸上男子走り幅跳びで、8メートル62の世界記録を持つマルクス・レーム(33=ドイツ)が優勝したらしい。

義足ジャンパーであるマルクス・レームは、2014年のドイツ国内選手権で健常選手を抑えて優勝した。その頃から「テクニカル・ドーピング」(道具ドーピング)と陰口を言われるようになった。

クーベルタンが唱えたオリンピズム(オリンピア精神)は、「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること」とされている。国別で参加すること自体、オリンピア精神に反する。ましてやオリンピックとパラリンピックを分ける必要はない。

石原慎太郎氏が東京オリンピックを招致した理由として「世界中の素晴らしい肉体と精神を日本人に見せたい」と言っていた。そうなのだ。あらゆる立場にいる人が全力を尽くす姿を見せることで人と健康意識を高めることがメインテーマなのである。

2016年にNHKが放送した「ミラクルボディー 第3回 未知の能力を呼び覚ませ」の中で、なぜマルクス・レーム選手が凄いジャンプができるのか、NHKは、レーム選手の体と脳をあらゆる角度から科学的に解析した。右膝下を失ったがゆえに発達した脳の機能、独特の体の使い方など、人間の身体がもつ無限の可能性を描き出した。

つまり、レーム選手は義足があろうがなかろうが、世界でトップクラスの身体能力を持っていることが証明された訳だ。

私は生まれてから一度もオリンピックを見たことがないし、今後も利権化されたオリンピックを見るつもりはないが、未来のオリンピックに意義を見出すとすれば、国別の廃止、オリンピックとパラリンピックの統合によって、真に人としての素晴らしい能力を世界中に見せることが出来のなら素晴らしいものになるかもしれないと思う。

◆参考
「もっと遠くに」8m18 走り幅跳び3連覇マルクス・レームの大きな夢
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/paralympic/news/202109010001140.html

マルクス・レーム|第2回「義足男」になった気分|チャレンジド:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/special/challenged/athletics/markusrehm/02.html

NHKスペシャル「ミラクルボディ」第3回未知の能力を呼び覚ませ
義足のジャンパー マルクス・レーム
https://www.nhk.or.jp/special/miraclebody/005/jump_movlist.html