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アートを考えるということは、社会を考えるということであり、それが街のブランドを決めるのだ。

Beverly Hillsのど真ん中にあった知人のギャラリーが無惨にも潰れていた。本当にショックだ。Beverly Hillsは日本の銀座みたいなものだけど、世界中から成功者が集まるという意味では、街のレベルは世界有数の場所である。
アメリカ政府が行ったコロナによる給付金の総額は8,500億ドル(約100兆円)を超えている。
アートは高価なものだから、いくら多くの給付金や補助金があったからといって、ギャラリーの運営を救うことはできなかったのだろう。
ギャラリーは誰を相手に営むべきなのか考えさせられた。ほとんどのギャラリーがウォークインのカスタマーを相手に商売をしていない。何人かの余裕のあるコレクターによって営まれているのが現状だ。ギャラリーのマーケティングは、アートバーセルなど国際的アートフェアへの出展やアート雑誌・ウェブによるアーティストの評価、最近ではアーティストの信用スコア(SNSのフォロワーなど)などで成り立っている。
だから、単に観光客の激減によって潰れるものではない。Beverly Hillsに居を構える、ということはギャラリーのブランディングだったのだろう。だから、もしかしたら、暴動による街のブランド低下により場所を移動させようとしているのかしれない。
プライマリーギャラリーの役目は、街のニーズ(需要)を感じて、そこにいるローカルアーティストをキュレートすることにあるのかもしれない。私のギャラリーのように、世界の誰も知らない異国のアーティストを紹介することにも一定の役割があると考えている。
カルバーシティに起きているテックパワーの増大とチャイナリッチの撤退に伴うハリウッドブランドの低下が、Beverly Hillsの街に影響しているのではないかと思う。コロナ前のハリウッド映画は、テンセントやアリババの資本提携作品が多く公開されたが、コロナ後にはテック系の雄であるNetflixやAmazonに街のパワーが移行しつつある。
アートのことを考えるということは、社会のことを考えるということであり、その結果が街のブランドを決めるのだ。
Jimmy Honda、北村勝利 き、他56人
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