コロナ考 : 五感を取り戻すとき
われわれ人類は、長い間 五感の世界にいた。
それがアルファベットや漢字の発明によって、その座を視覚に奪われてしまった。
本来の動物としての人間は、よく聞き、よく見て、匂いを嗅いで、触って判断していた。
でも、鷲のペンや筆によって言葉を操れるようになってからは、もっぱら見ることで殆どの判断をするようになった。
人間同士は前より近くに感じるようになったが、世界のことを知るには遠くなった。
言葉による伝達は時間がかかりすぎるのだ。
ただ、感じる。
五感を駆使して、物事を判断し行動する。
瞬間瞬間に生きていることを自覚し、世界を鑑みる。
コロナによって、人間は再び五感を取り戻さなければならない。