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ポストコロナ時代の世界や地球や宇宙のコトを考える。

人とあまり接しないと、思索にふけることが多くなる。

世界や地球や宇宙のコトを考える。

世界のコトとは人や国のことを指す。新型コロナウイルスにより世界は激変した。20世紀の車や飛行機の発達で小さく感じた世界が、移動制限で再び遠いものになった。相変わらずアメリカはコロナを中国のせいにしWHOへの拠出を減らすと脅し、フィリピンでは外出者を射殺すると大統領がいっている。

もっとも身近と思われたネット世界も政府への非難と、考え方の違う人への攻撃が激化しているようにみえる。不思議なものでフィジカルな距離をとればとるほど、ネットでの距離感が異様に近くなっているのではないか。

地球のコトを考えると、実はホッとしている。飛行機の運行の削減、産業活動停滞による電力需要の減少で、温室効果ガスの排出量が急減している。世界最大のCO2排出国である中国だけでも、25パーセントも減少(2億トン分)になった。

COP21「パリ協定」(2015年)では次のような世界共通の長期目標を掲げている。「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より低く保ち、1.5℃に抑える 」
↓各国の2030年までの目標は下記の通り。
https://www.jepic.or.jp/data/g07.html

図らずも環境アクティビスト、グレタ・トゥーンベリさんの理想に少し近づいたわけだが、予断を許さない。ポストコロナ時代の在り方をどう考えるか。コロナ以前に戻ろうとするのではなく、新しい時代は、地球に優しい秩序をつくるべきだ。

コロナから与えられた人類への課題をみんなで整理してみよう。
各国の政府や産業界は、この機会に無駄な自然開発をやめさせ、クリーンエネルギーによる新しい産業の育成に力を注いだらどうだろう。

そっちの方が儲かるのがポストコロナ時代だよ、というメッセージを発することで、ネット世代が中心となった新時代を築けるかもしれない。ポストコロナ時代こそが、20世紀型ビジネスモデルからの完全な脱却をはかる最後のチャンスだろう。

さて、パンデミックの最中である現在、われわれの視点は宇宙的視座から180度正反対のところにいる。どんな芸能人が感染したのか? 外出する若者はけしからん等、自らの不安定なポジションを確保するために、ありとあらゆるマウンティングの材料を探しているようにみえる。しかし、宇宙の視点で考えたら、これはある惑星にいる生物のエコシステムの在り方が問われているだけの問題なのだ。ホモサピエンスが、自然界の頂点にあるという認識は脆くも崩れ去った。この最強と思われたヒトを打ち負かしたものは、地球外生物でもなんでもなく、たった1μm(マイクロメートル μm=1/1000mm)のウイルスに過ぎなかった。

パンデミックが、世界や人の分断を加速させるのではなく、”ひとつになる”チャンスと考えよう。ただ、今回の”ひとつになる”(ユナイテッド)のコンセプトは、震災や戦争と同じではない。誰か一部の人や地域だけがダメージを受けている場合は、以前のコンセプトで良かった。でも、今回のパンデミックは、人類が700万年かけて築いてきたビジネスモデルがうまく機能しなかったことを教えてくれた。地球の歴史45億年からすれば普通にありうる。宇宙の歴史、138億年からすれば瞬き程度の話だ。

だからといって、人類は自分たちの運命を卑下する必要はない。この宇宙的視座をもってすれば、コロナ以前のやり方を大胆に見直し、ポストコロナ時代に向けて再びチャレンジすることは出来ると信じている。

福田淳