【ウルトラ植物博覧会 レセプション】に行ってみた!
プラントハンターという職業がある。世界中の珍しい植物を“ハント”してくる仕事らしい。プラントハンターの西畠清順氏は、皇室や海外の王族をはじめ、各種企業・団体など様々なクライアントからの依頼であらゆる植物を求めて地球を駆け回っている。時には、危険な目に遭いながら……。そんな清順氏の選んだ植物を間近で見ることができるのが7月3日から始まった「ウルトラ植物博覧会 西畠清順と愉快な植物たち」である。一足先に見に行ってきた。
展示されている植物は実に52種類! 天井にくっつくくらいの大きなものもあれば、手のひらサイズのものもある。いくつか気になったものをここで紹介したい。
茶色と緑が目立つ中、黄色の実がひときわ目立つ植物が目に入った。
和名は「仏手柑(ぶっしゅかん)」というらしい。「不老不死の珍果」としてインドから日本に伝わった柑橘類。近くで見ると、皮は柑橘類のボコボコ感があるが、形は小さなバナナのよう。仏様の手のように見えることから、この名がついたそうです。
裏側はこう、なんとも言えないご尊顔……。
果実シリーズでは、こんなのもあった。和名「ジャボチカバ」。「一度食べたら必ずファンになる」と言われているが、輸送が困難なため、日本で出回らないのだそう。食べてみたい。
樹の幹にびっしりと実がなっている。
こちらは、幹にびっしりと葉とトゲが生えている植物。和名は「太二つ葉金棒」。
この「ゾウコンニャク」は一見地味だが、過去に「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)で紹介すべく、開花したものをスタジオに持ち込んだ際、異臭騒ぎを起こしたのだという。展示されているのは、開花前のイモの状態。展示期間中に開花しないことを祈る。
見た目だけでなく、名前が変わった植物もたくさんある。こちらは手のひらサイズの大きさとは裏腹に、「ライオン殺し」と恐ろしい和名を持つ。この植物を足で踏んだライオンが、引き抜こうとして口で咥えると、トゲトゲの部分がライオンの口に深く突き刺さり、そのまま餓死したライオンの死肉を肥料にして育っていくことから、この名前になったのだという。
これは「火星人」。
奇怪な見た目からこう名付けられたようだが、近くで見るとショウガにしか見えなかった。
これは「アアソウカイ」という和名の植物。西畠氏本人曰く「なぜこの名前になったのかを調べてみることも含めて、この展示を楽しんでほしい。調べると、パッとしない理由なあまり『ああそうかい』となると思います」とのこと。なので、ここで理由は明かさないことにしておく。(※検索すると一発で出てくる)
そしてこの二つは、和名がまだついていない、超希少種。会期中にぜひとも目におさめておきたい。
こちらは、和名ばかりでなく、学名もまだついていません。
こちらはこの展示の中では相対的に何の変哲もない植物に見えるが、なんと和名が「ニセオッパイプランツ」。実際、食べるとおっぱいが大きくなるとして、サプリメントにもなっているとのこと。だが、おっぱいが大きくなる種類と、そうでない種類があり、展示されているのは大きくならないほうのものだそうだ。別に食べるわけではないが、なんとなく残念である。
そして、全展示品の中で最も異彩を放っていたのがこの「フタゴヤシ」だ。「世界一、卑猥な種子」とも言われているらしい。生息している島の名前も「プララン島」。色々アウトな気がする。
最後に。「フタゴヤシ」の割れ目の部分には毛が生えていたことだけ申し添えて、筆を置きたいと思う。
取材・文/朝井麻由美
https://twitter.com/moyomoyomoyo
■展示名:ウルトラ植物博覧会 西畠清順と愉快な植物たち
■開催期間:2015年7月3日(金)~8月16日(日)会期中無休
■開催時間:11:00~20:00(入場は19:30まで) / 入場無料
■開催場所:ポーラ ミュージアム アネックス
〒104-0061 東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
■西畠清順プロフィール:
1980年生まれ。幕末より150年続く花と植木の卸問屋、花宇の五代目。日本全国・世界数十カ国を旅し、収集している植物は数千種類。日々集める植物素材で、国内はもとより海外からの依頼も含め年間2000件もの案件に応えている。
2012年、ひとの心に植物を植える活動“そら植物園”をスタートさせ、植物を用いたいろいろなプロジェクトを多数の企業・団体などと各地で展開、反響を呼んでいる。
著書に“教えてくれたのは、植物でした 人生を花やかにするヒント”(徳間書店)
“プラントハンター 命を懸けて花を追う”(徳間書店)
“そらみみ植物園”(東京書籍)
■主催:株式会社 ポーラ・オルビス ホールディングス
■企画:株式会社 ソニー・デジタル エンタテインメント