葬祭儀々: 21世紀的な永代供養を考える
日本は、急速に少子高齢化している。
生まれるベイビーよりも亡くなる高齢者の方が多くなった。その数、年間100万人を超える。
亡くなる人が多くなる分、お墓も増えることになるが、付随して無縁仏(死者を弔う縁者がいない)も増えている。2018年に、全国20の政令指定都市で無縁仏の遺骨数が8,287柱となった。
わたしは生まれも育ちも大阪だが、成人して東京に来るまで本籍は「佐賀県」だった。
父方の先祖が佐賀県生まれらしい。
祖父が建てたお墓は、佐賀県にある。わたしの父は86歳。4人兄弟の3番目。兄が二人と妹が一人。私には、兄が一人いて、孫は全部で8人いる。しかし、いろいろな事情から、兄から「墓じまい」(お墓を解体・撤去して更地にし、その使用権を墓地の管理者に返還すること)の相談があった。父の兄弟も高齢化し、墓を維持することが困難になってきたからだ。そもそも孫レベルでさえ佐賀県の墓参りに行ったことがないし、存在も知らなかった。
早速兄が佐賀へ出向き、撤去費用など見積もってもらったら、過去のメンテナンス(雑草とったり供養したり)のコストなど合わせると、なかなか大層な金額になった。
つまり、知らないうちに墓の維持費がかかっていたわけだ。それらを父の代で精算したのだが、なにぶん高齢なので兄は時間と手間をかけ苦労して精算した。墓の維持費を後世に残したくないからだ。
これはコスト負担の問題だけではないし、孫の世代に信仰心がないからでもない。
祖先を敬うために知らない土地の墓を訪ねることなど現実的に難しいからである。
そこで、21世紀的な祖先を敬う方法がないか考えた。盟友の小林 照弘さんと話していたら、素晴らしいアイデアがあったので、これをNPO法人ベースで実現させたいと思う。
しばらくしたら、みなさんにもこのアイデアをお知らせしたいと思う。