Talked対談【お寺が改革する”デジタル・ウェルビーイング”の世界 】(後編) 禅僧 伊藤 東凌 x ブランドコンサルタント 福田 淳
両足院の伊藤東凌(とうりょう)さんは、完全にDX化している方です。それは下記の一節を読んでいただくだけでわかりますよね。
後編も是非ご一読ください。インスピレーションに溢れてますよ。
東凌「オンラインとオフライン、両方の価値を高める方法は何かを考え続けてきました。今後はよりオンラインに力を注ぎたいです。例えば、オンラインでは、長期視点のお題を出して考えてもらう哲学的なプロセスなどは、相性が良くて価値が高い。その辺りを今後追求していきたいです。一方のオフラインは、鳥の声を聞いたり、水の色の移り変わりを眺めたり、よりクローズな場所にして感性を研ぎ澄ます事がより重要な意味を持っていく。今までであれば、2~3時間過ごすと、「ああいい気持ちに入れ替わりました」っていうところを、これからは1~2日間くらいかけて過ごしてもらえるような、よりリトリート的な場所にシフトしていくでしょうね。
(中略)
じつは今、バーチャル両足院という構想を練っていまして。オンライン座禅やアプリでやっているような世界観を作りたいな、と。今まではバーチャルなお寺空間にいたけれども、現実の場所と本当にリンクしていたんだ、というような感じです。そして、その最初の入り口は、アートだとも決めています。デジタルで、アートギャラリー化していくようなイメージですね。 メディアアーティストが発表する場がホワイトキューブだったり、ここにモニターを置いたりするように、バーチャル空間にも同じものがあって、そこを動かせばいいのかなと。同時に、ここの自然環境の情報や庭が発表されたアートともつながっているようにします。メディアアーティストがバーチャルで発表した作品がどんどんアーカイブされたら、「10年前にバーチャル両足院で発表した作品が、オフライン両足院の床の間でも展示されたよ」というような、そういう登竜門にしたいのです。そのためには、一旦「先にバーチャルありき」の世界観が出来ている必要があるなと思っています。」