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美術手帖に、二人展「Rooted in the Cosmos」のインタビューが掲載されました。

美術手帖に、いま福田がプロデュースしている二人展「Rooted in the Cosmos」のインタビューが掲載された。前田萌子とテ・ホ。日本と韓国、まったく違う道を歩いてきた二人に、創作の原点をじっくり聞いてもらった内容だ。

前田萌子は15歳で親元を離れ、カナダ・アルバータ州の小さな町で大自然に囲まれて育った。制作の出発点はロサンゼルスのポール・マッカーシーのスタジオで働いた経験だという。
周りが全員アーティストか、アーティストを目指す人間だった。自分はシャイだから表に出るタイプではないと思い込んでいたのに、その環境にいるうちに「自分ならどういう作品をつくりたいか」を自然と考えるようになったそうだ。

辿り着いたテーマが「癒し」であり、素材が「塩」だった。アトピー性皮膚炎を海水療法に救われた経験がある。塩は日本では古来、浄化や厄除けに使われてきた神聖なものでもある。塩水を窓辺に置いて太陽光と月光に当てると、結晶がかたちを変えていく。そのプロセスは彼女にもコントロールできない。だから自分にできるのは観察することだけで、一介の管理人のような気持ちで見守っているのだと言う。作家が自然と共同制作をしている、という感覚だ。

一番惹かれたのが「見えないレイヤー」の話だった。木製パネルに、瞑想中に浮かんできた文字を書き込む。その上から何層も塗り重ねるので、完成した作品にその文字は一切現れない。誰にも見えない。それでも書く。身体の内側に骨や筋肉があり血管が通っているように、作品にも内側の骨組みと筋組織を育てたい、と彼女は語っている。

その上にはさらに、チャクラに良いとされる果物やハーブ、花を混ぜた液体を塗り重ねる。人体には主要なチャクラが7つあり、それぞれに対応する色がある。今回展示している「Erupts」シリーズは第1から第3チャクラの色だ。発端は夢だった。「己の内なる火山の蓋を開け 噴火せよ 道をつくれ」という言葉が浮かび、マグマのような色の奔流が頭を満たした。その感覚が消えないうちにハワイへ飛んで実際の火山を体感し、イメージを定着させたという。赤、オレンジ、黄。あの画面の熱はそこから来ている。

テ・ホの出発点は瞑想だ。29歳で始めた。それまでは自分の目で世界を見ていると信じていたが、実は他人の言葉や解釈を借りて世界を理解していたことに気づいたという。10年続けた39歳のある日、内側の深い場所から言葉にならないエネルギーが湧き上がってくるのを感じ、それをかたちとして残したいと思った。

それが創作の始まりだ。美術を専門的に学んだわけでも、特別な経歴があるわけでもない。自分が芸術家として生きていること自体をいまも不思議に感じている、と彼女は言う。

テ・ホの作品は、遠くから見ると大きな円に見えるが、近づくとすべてが細かな点の集積であることに気づく。無数の点を打ち続けるその行為自体を、彼女は自分の修行だと考えている。一つひとつの点に、変わることのない真理を込めたい、と。

制作を始める時点で全体像は見えていない。内面に静かな光だけが残る状態になるまで、長い時間をかけて点を打ち続ける。自分の作品が誰かの思考のきっかけになり、瞑想のテーマになることを願っている、とも語っている。

光と色についての言葉も印象深い。光があるから色が生じ、色があるから光をはっきり感じ取れる。この二つは切り離せない。そしてテ・ホは、人と向き合うたびに、その人だけが持つ固有の色を感じ取っているのだという。彼女にとって色彩とは、人生であり、言葉であり、智慧そのものだ。

見えないものを、見えないまま作品の内側に埋め込む人。言葉が届かない場所を、点を打ち続けることで表そうとする人。手法はまるで違うのに、二人が向き合っている対象は同じところにある。だからこの二人を並べたいと思った。

会期は8月9日まで。原宿で、入場は無料です。

「Rooted in the Cosmos」
会期:2026年7月18日〜8月9日
会場:Creative Space Akademeia 21 Harajuku(東京都渋谷区神宮前5-27-7 アルボーレ神宮前 1F/2F)
開館:12:00〜19:00(土日祝11:00〜)/火曜休廊/入場無料

美術手帳の記事はこちら
https://bijutsutecho.com/magazine/interview/promotion/32821

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