終戦から75年たった沖縄で祈る、平和な世界。
1945年8月15日から75年後の今日、わたしは沖縄にいる。
その日の正午、昭和天皇が「戦争終結の詔書」を読み上げる玉音放送により、ポツダム宣言を受諾、連合国への降伏がラジオと新聞で日本国民に伝えられた。
戦争は終結し、日本は負けた。
しかし、アメリカの占領下(27年後の1972年に返還)にあった沖縄の人には、この玉音放送は届かなかった。
当時の沖縄の住民は、収容所に入るか、または投降しないで潜伏していたので、天皇陛下の玉音放送を直接ラジオで聞くことは難しかった。
新聞記者の上地一史は、今帰仁のマリン第六師団本部で玉音放送を聞かされてニュースを書き、米軍はそれをビラに刷って山の中に潜伏している住民にまいた。
沖縄は、日本の最南端にあるという地形上の理由で歴史に翻弄されてきた。
米軍は沖縄を反共政策の拠点「太平洋の要石(キー・ストーン)」と称し、沖縄住民の人権は極度に抑圧してきた。基地拡張のために、農民は武装兵によって強制立ち退きを迫られ、これに抗議した学生は米軍管轄の琉球大学から追放され、本土の大学に転学しようにも渡航申請を拒否される状態だった。
そんな歴史をもつ沖縄で、改めて世界中の戦争がなくなり、恒久平和がくることを望む。