ニッポンのエンタメがグローバルになるための”一帯一路” 戦略
どうしてニッポンのエンタメがグローバルになれないのか?ってよく質問される。
それに対して、答えるほどの器量はないかもしれないが考えてみた。
ニッポンだって優れたエンタメコンテンツはある。
まずハリウッドで数多く映画化原作になったコミックがある。80年代からヨーロッパに輸出され続けたアニメがある。
ゴジラを含めた東宝特撮映画、タランティーノが愛した東映の任侠シリーズがある。
問題は、それらの優れたコンテンツが、製作者サイドからのマーケティングアプローチでハリウッドや世界に到達したわけではないことだ。
こつこつ良いもの作ってたら、いつか世間様は判ってくれる的な戦略が、21世紀に通用するほど甘くはない。韓国のように世界、世代に通じるような戦略をもつことが大事だ。
わかっちゃいるけど出来ない理由の中に、関係者がまるでニッポンから外に出ようとしないメンタリティがある。世界最強のパスポートを持ってるのに、飛行機乗ったことない人が多い不思議の国ニッポン。アウトバウンドよりインバウンド。ここ数年は「来てください」中心にやってたけど、それもマーケティングが優れてた結果じゃなくて、デフレでモノが安かったから。憧れのヨージヤマモトの服が北京より半額近くで買える国、というだけ。
じゃあコロナで再び鎖国に陥ったニッポンはこれからどーしたら良いの?
隣国、中国しかない。中国にニッポンのエンタメを売り込む。「おしん」から30年近く没交渉だったけれど、中国のZ世代は韓国のコンテンツに”クール”を感じている。でもそれは、そのもっと前にニッポンのクールを韓国が勉強した成果でもある。中国Z世代はそのルーツを知らない。
いまこそ若い中国人にニッポンの優れたエンタメをアピールすべきだ。坂本龍一さんの音楽に目を輝かせる中国人は多い。宮崎駿や北野武の映画や三谷幸喜の芝居に夢中だ。日本のアイドルもやりようによってはいけると思う。
実は中国人とアメリカ人は考え方の思考が似てる。自己主張があって大陸的なのだ。
だから、中国で認められたニッポンは、そこからハリウッドやブロードウェイにいける。
ニッポンのエンタメは、中国を経由してアメリカに上陸する “一帯一路” 戦略。
これこそがニッポン・エンタメの世界戦略の骨格となるだろう。
* 写真は、PerrotinTokyo(六本木)で開催中のXAVIER VEILHAN(グザヴィエ ヴェイヤン)展より。