米国フロリダ州マイアミ市は、ここ一年でテック企業やVCの人気都市になっている。

ゴールドマンサックス、ソフトバンクがオフィスを構えた。クリプト関連ではBlockchain.comがニューヨークからマイアミに本社を移転する。取引所FTXもオフィスを開設している。

マイアミ市長Francis Suarez 氏は、「マイアミを暗号通貨イノベーションハブにする」という計画を持っている。
将来、税金のかからない都市にするとのこと。税収の代わりに仮想通貨を活用する。
マイアミがクリプトフレンドリーな都市になり、ビットコインでの決済、税金の支払い、市への手数料の支払いなどを検討している。

CityCoinsという仮想通貨で地域活性をはかるプロジェクトがある。「コミュニティが都市を応援でき、個人の貢献者と都市にクリプト報酬を提供する」というもので、Stacksというチェーンを利用していている。

仕組みはユーザーの誰でも参加できる。
STXトークン（Stacks Token）をCityCoinコントラクト（動作できる場所）に送ると、ランダムでMIAをマイニング（デジタル通貨にするための複雑なコンピュータ作業）することができる。

出来上がったMIAの…
30%は、マイアミ市 専用のウォレットに蓄積されていく。
70%は、マイナー（作業してくれた人たち）: MIAをロック（預け入れ）したユーザにステーキング（利息）が配分される。（STX報酬）*下記注記参照

MIAは、CityCoinsコミュニティが自発的に始めた通貨で、2021年8月3日に開始した。
その後、Stackコミュニティやマイアミ市を支援したい人たちが、MIAマイニングのためにSNXを送り、マイアミ市のための資金が保留されていった。8月26日には、取引所OkcoinがMIAを上場させた。

そして9月13日に、マイアミ市議会は、それまで貯まっていた保留分を、寄付として受け取ることを承認！10月3日時点で $9.1M（約10億円） にもなっている。

通貨というものは、需要を喚起し続けることで供給されるものなのである。マイアミという地域通過を仮想通貨化させることで、新しい経済圏を作ることができるかもしれないという実験的な話しなのである。

◆注記
ステーキングとは、特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る仕組み。

厳密には、仮想通貨を保有するだけでなく、ネットワーク上にロック（預け入れ）しておく必要がある。例えるのであれば、銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似しているといえる。

ステーキングは、PoS（Proof of Stake）のコンセンサスアルゴリズムを採用している通貨で行うことができる。従って、ビットコインや2020年1月時点でのイーサリアムのような、PoW（Proof of Work）を採用している通貨は対象にならない。