COP26 : ‘No More Blah Blah Blah’
個人でも企業でも国家でも、言ってる人が生きている間にできそうにない約束は信用できない。
だから、菅義偉前首相が2020年10月29日の所信表明演説で「2050年に温室効果ガス排出ゼロ」宣言とか(申し訳ないけど多分生きてない)実現性に乏しい根拠なき発言と思う。
2021年10月31日から11月12日までイギリス・グラスゴーで開催されたCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)で、岸田文雄新首相が「アジアなどの脱炭素化支援のため、今後5年間で最大100億ドル(1.1兆円)の途上国への追加支援」を表明した。
そのニュースを聞いてガッカリしている。環境アクティビスト、グレタ・トゥーンベリが「政治家たちは真剣に考えているフリをしているだけ。We say no more blah blah blah(ベラベラ喋ってるだけなのは、もう止めろ)」とバッサリ批判した。
日本は、先進国を気取ってお金をバラまくことで国際的な見え方を変えたいのだろうが、脱炭素(ノンカーボン)については、むちゃくちゃ後進国である。火力発電を使い続けた上で、何をいっても説得力ゼロなのである。そして二年連続「化石賞」を受賞
日本も2005年までは、ソーラーパネルで世界一の普及数だった。シャープのパネル、京セラの技術力、生産力は世界トップだった。1997年に発売されたトヨタ「プリウス」はハリウッドセレブが車を買い換えるほど話題になった。いま世界中で使われている省電気LEDも日本人が発明した。
かつて日本も環境重視の国家に見えた。だがその裏には、火力発電に変わって原発で電気を賄なおうという国家戦略があった。しかし、2011年の東日本大震災が起き、福島原発の爆発で世論は一気に原発不信となった。その後のエネルギー政策の迷走ぶりは、猪瀬直樹さんの新刊「カーボンニュートラル革命」に詳しく書かれているので、ご一読を。
「現在、日本の総エネルギーに占める自然エネルギーの割合はたったの18%。ドイツ43%、スペイン37%、イタリア35%、イギリス35%であり、いずれも日本を大きく上回っている。
さらに日本は、実現可能な2030年の目標も26%に過ぎない。それに対して、ヨーロッパの国家戦略には、しっかりとしたビジョンがあり、ドイツが43%から65%へ、スペイン37%から74%へ、イタリア35%から55%へと目標を引き上げようとしている。」(猪瀬直樹さんの著書「カーボンニュートラル革命」から引用)
2013年初頭にPM2.5で世界中から非難されていた中国でさえ、2020年9月22日に行われた国連総会で、習近平国家主席は「中国は2030年を二酸化炭素(CO₂)排出量のピークアウトさせると公約している。
海外に配るお金(税金が原資)があるのならば、もっと優先すべき国内施策があるのではないか?
いまの日本でEV車を買うと、その電力は殆ど火力発電で作られているので、EV車が普及すると地球の寿命を縮めることに加担してしまう。
中国にトップの座を奪われたソーラーパネルのメーカーへの補助や自然エネルギー系の新電電への送電線のさらなる自由化(東電をはじめ、送電線網をなかなか自由に使わせていない)を国が率先して進めるべきだろう。なんならヨーロッパの自然エネルギーを買うのも手ではないか。
スピーディが沖縄で進めているリゾート開発と農業についても早期に自然エネルギーへの転換を果たしていこうと思う。
COP26の首脳らにグレタさん“ベラベラ”もうやめろ|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト
書籍「カーボンニュートラル革命」(著者: 猪瀬直樹)
2030年カーボンピークアウトに向けた具体的な取り組み・目標を設定(中国) | ビジネス短信 – ジェトロ https://www.jetro.go.jp/biz…/2021/11/f7ff820b9204c177.html
世界で一番気候変動に苦しめられている国家といえば、ツバルである。ナタノ首相は「先進国はパリ協定(2015年開催)で約束した年間1,000億ドル(11兆円)の拠出をいまだ果たしておらず、我々は待ち続けている。」
その間にもツバルがある島は海面上昇により消滅しつつある。ツバル沈没まで時間がない。
環境アクティビストのグレタ・トゥーンベリ氏の言う通り、「政治家はベラベラと口で言ってるだけで実行力ない!」と言うのが現状だ。岸田首相の1.1兆円拠出も怪しいものである。
Greta Thunberg on COP26: ‘No More Blah Blah Blah’