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Speedy Gallery : オンラインとコロナが物流コストをあげ物価も上昇!

コロナになってから輸送コストが高騰し、日本からロサンゼルスへアート作品が輸送できない事態が続いている。
鎖国状態で過ごしている日本ではあまり感じないかもしれないが、輸送コストの高騰は世界経済にとって深刻な問題になっている。その背景を説明しよう。日本ではこういうニュースが殆どない!
主な原因は、コロナによるエアライン減便と人流抑制、ステイホームによる港の人手不足。
バイデン米大統領はロサンゼルス港のトップと会談し、港の24時間化や湾岸で働く人たちの待遇改善など提案したが、そんなことでは簡単に解決できないほどの停滞が続く。eコマースが活性化すれば、以前よりデリバリーの数量も劇的に増えるわけで、便利が流通を停滞させているのだ。
例えば、みんなが使っているiPhoneは、開発はアメリカ、設計はイギリス、半導体は台湾、部品は日本など世界各地で製造している。そうなってくると、コンテナ便が遅れると価格高騰し物価も上がる。iPhoneひとつとっても、これだけのグローバルサプライチェーンで成り立っている。
テレワークによるパソコン需要、ステイホームでテレビ需要、電車乗りたくないということで自動車需要が急増し半導体が不足。半導体が不足すると製造の減産などどんどん負の連鎖は深刻となっている。飛行機が減便し、船便の荷下ろしができないと、あらゆる部品の輸送が滞り工場閉鎖で生産も滞る。
アメリカでは物価が5.4%あがり、フランスでは、海外からの輸送コストが以前の6倍になった。クリスマスまでに中国からヨーロッパへ玩具が届かないので玩具まで値上がりしている。当面輸送費の高騰は続くという。
日本からロスまで、コロナ前なら1コンテナ(20フィート)70万円くらいだったのが、今は300-500万円くらいする。
わたしはロサンゼルスでギャラリーを営んでいるため、いつも念頭に日本からの輸送費がある。特に展示のアート作品群を一度で送るのに定額のコンテナ船便は便利だ。エアラインでの配送は重量によるコスト高で、あまり使えない。
今回、20ヶ月ぶりにSpeedy Gallery Los Angeles で新展示が始まるので、スタッフが少しずつ預け荷物で持っていくという手段をとった!成田での中身チェックがあるので、現場での再梱包テクが身についた。しばらくは、この方法だな。
オンラインになればなるほど物流はタフな状況になるってことを知っておこう!
便利が物価を上げているのだよ。
◆追記
そんな状況でAmazonは流石!
新規ビジネスとして輸送能力を強化させている。元々は、宇宙旅行を実現させるために作った「アマゾン・プライム・エア」を本格的な貨物航空会社に変貌させている。2015年12月にAmazonの子会社として設立された。
保有機材はボーイング737・767の2種類で、運用機材は70機くらい。日本にも既に大阪関西空港に数回就航している。
プライムエアは、すでに米国内でアマゾン商品の80%をデリバリーしており、今後はFedexやUPSと戦うため、アマゾン商品以外のデリバリーを開始する。まずは、試験的にイギリスとアメリカ間の取り扱いを実験的にはじめた。
Amazon Prime Airは、近い将来ドローン宅配便により、注文から30分以内に荷物を注文者へ輸送する計画がある。
Amazon Is Quietly Shipping Non-Amazon Orders To Compete With FedEx, UPS