Speedy Resort: スマートシティ考
Speedy Resort: スマートシティ考
人類の文明の歴史は、都市化することにある。人がたくさん集まると、不便が減り便利が増えるからだ。
コロナ前には、世界の都市化は毎週350万人にも及んだ。毎週ロサンゼルスができるようなものだった。
それがコロナウイルスによって、効率一辺倒の都市に歪みが起きた。三密回避でステイホームを余儀なくされ、都市間の移動の自由が奪われた。田舎に移住し、そのままオンライン生活を維持できる人もいるが、大抵の人は第5波が去り、デルタからオミクロンへの移行する中で、再び都会に戻ってきた。
リアルとヴァーチャルのハイブリットライフが急激に発展していくなか、新しいリゾートの役割を考えていかなければならない。
都会で働く疲れを癒すための二泊三日リゾート需要は、今後も存在意義があると思うが、コロナ回避移動により田舎の良さを再発見できたことで、長らく日本人に欠けていた長期休暇(いちいちワーケーションと名付けなければならない忖度は悲しいが)が可能になってきたと考える。
もともと、世界的には長期休暇で合間に仕事をするのは当たり前なのだが。どこでも仕事ができるのは、パソコンで仕事するIT関係者だけだという思い込みがある。だが、わたしは東京でコンサルティングをやり、沖縄で農業とリゾート開発、ロスでギャラリー運営、エストニアでNFT売買をやっているが、特に問題を感じない。物凄い社員数でやっているのだろうとよく聞かれるが、本社社員は3人しかいない。ではどうやってやっているのか?
殆どの関係スタッフは、マルチプルに仕事をしている優秀な人たちだ。あと、専門性がない分野のタスクは全て外注(クラウドソーシングかギグワーカーと提携)している。
長期滞在型リゾートを成立させようと思えば、その場所はある程度不便を売りにしなければならない。スマートシティならぬ、DIYシティである。AIやドローンが生活を便利にしてしまっては魅力に欠ける。便利は都会だけの特許にしておくべきだ。田舎は、その歴史やエコシステムを保持していくことで魅力は増していく。リゾート施設内は完璧なネット環境や最新のトイレバス、サウナなど完備しているものの、その周辺環境は、自分で収穫を楽しめる農地があったり、動物や自然と戯れる生活様式を残しておく方がいい。
不便が求められるからこそ、コロナ禍でキャンプやワークマンが流行るわけだ。完成品よりブロセスを楽しむことが大事になってきた。都市化の発展は、無駄を無くし余暇を増大させた。人生100年になったことで、人類は便利だけでは飽き足らず、不便を求めるようになった。
新しい人気ラーメン店に寒い中1時間並んだり。エンドレスにスマホゲームをやるのもいいが、どうせ無駄な時間を過ごすなら、東京から2時間で行ける沖縄の長期滞在型リゾートに行って、犬や馬やウサギと過ごした方が良いのではないか。
わたしが考えるスマートシティは、”不便を楽しむ”ための新しいライフスタイル発見の場所なのだ。(つまり、田舎ももっとちゃんと田舎のままにしておいて!ってこと)
都会か田舎を選ぶ必要がない。世界中どこでも行ったり来たりすれば良い。田舎を無理矢理スマートシティにするのなら、今のシティをスマート化すべきと思う。
追伸: スピリゾは、基礎コンクリートの流し込みを開始しました。