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世界初 VR GALLERY開設!デジタルの目で見る新しいアートの世界(2016年) | 株式会社スピーディ

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世界初 VR GALLERY開設!デジタルの目で見る新しいアートの世界(2016年)

 

デジタルは、アナログのオマケではない。デジタルはデジタルなりの新しいコンテンツを生み出すものだ。

アート業界もコロナの影響でDX(デジタル・トランスフォーメーション)が迫られている。VR(Online Viewing Room)が流行っているが、それはリアルなアートをバーチャルでも見られますよ、という単なるギャラリーのオンライン化に過ぎない。

わたしは、4年前の2016年9月1日に新しいデジタル表現の試みとして、新宿に「VRギャラリー」という白い空間だけのギャラリーをつくった。

特殊なメガネ(ヘッドセット)をかけると、そのギャラリー空間に巨大な立体作品が現れるのだ。人々は、そのアートの中に入り込め、空間と一体になってアートを楽しむことができた。

リアルをネット空間でみせるのではなく、ネット空間をリアルな場所にもってきたのだ。

 

ことの経緯は、4年前に遡る。2016年の6月にコンセプターの坂井 直樹さんからGoogleのアミット・スード(Amit Sood)を紹介してもらったところから始まる。

アミットは、パリで「Google Cultural Institute」を取り仕切っていた。彼とアートとのかかわりは下記のTEDを参照。(故郷のインドで世界のアートが見られない。そんな人たちにデジタルを通じてアートを見せたい)
https://goo.gl/znXLJi

Google Arts & Cultureでは、世界中のアートや文化遺産をもっている1000以上の美術館と提携し、高彩度のデジタルアーカイブを無料でオンライン配信している。
https://www.google.com/culturalinstitute/beta/

それらは、アプリやVRでも楽しむことが出来る。
http://wired.jp/2016/07/25/googles-new-app-museums/

さらに、この部門はギガピクセル「Art Camera」も開発。精緻なアーカイブ作りに欠かせないのはもとより、人間の目で見えないデジタルならではの発見も可能にした。
https://goo.gl/dPyQco

例えばピーテル・ブリューゲルの『穀物の収穫』(1565年頃)を拡大すると…
6人の裸婦が池の畔で水浴びを楽しんでいる…と思われていたがデジタルの目で拡大すると…実は5人と岩だった!つまり、肉眼で見えないアートもデジタルを駆使して見ることができるのだ。

この部門は非営利で活動しており、パリのお城のようなオフィスでは35人のテクノロジストが働いている。その中で、HTC Vive(VRシステム)を活用したVRブラシ(Tilt brush)が開発された。難しいプログラムなしに自由にVRで絵が描ける。
https://www.tiltbrush.com/

アミットから「日本のアーティストをパリに招くから、VRアートを創ってみないか?」という誘いをもらったが、手っ取り早く東京に作ってしまえというので新宿に「VR Gallery」を同年9月に創設した。10名以上のアーティストが世界初のVRアートに挑戦してくれた。

当時の紹介記事: 世界初のVRアートギャラリー「VR GALLERY」で楽しめる展示をご紹介!Tilt Brushで描かれた芸術の数々
https://vr-360.net/blog/vr-gallery-sony_170829.html

わたしのプロデュースしたVRアートは、Googleのコンベンションにも採用された。
http://tabloid-007.com/archives/52414021.html

さらに、バンコクのコカ・コーラがイベントで使いたいとオファをくれた。コンスーマーがパッケージをVRで描いて、そのラベルがプリントされた見本がもらえる!というもので物凄い話題になった。http://spdy.jp/news/s6157/

この後、福田がソニーを辞する2017年9月末までリアルの1年1ヶ月間、ギャラリーは存在した。信じられないほど物凄い駆け足で立ち上げて、たんさくの話題を残し、その幕を閉じた。

以上がVRアートの経緯である。リアルなVRギャラリーは存在しないが、ネット空間ではまだ色褪せることなく存在するのだ!
http://vr-gallery.jp/

いまでも、下記のセットを6万円くらいで買えば、自宅にいながらにして巨大な立体アートを再現し、楽しめる。

HTC VIVE (コンシューマーエディション)
https://www.amazon.co.jp/dp/B06XKT4PBC

もうおわかりと思うが、デジタルは決してアナログの補完ではなくて、自立した新しいメディアとして永遠の命を持つことができる、ということを知って欲しかった。