Talked対談【誰よりも早く、世界の未来図を知る】(前編) 起業家、メディアプロデューサー 小林 弘人 x コンサルタント福田 淳
小林弘人さんとわたしは同い年で、時代感覚を共有しながらも多彩なアフーローチをされている小林さんの活動は素晴らしいものがあります。
過去に何度か対談させてもらっていますが、社会人以前のお話を伺ったのは初めてです。
下記の検索時代における情報取得の不平等への見識は身が引き締まりますね。
ぜひ、ご一読くださいませ。
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Talked対談【誰よりも早く、世界の未来図を知る】(前編)
起業家、メディアプロデューサー 小林 弘人 x コンサルタント福田 淳
http://talked.jp/103/
小林「ドイツの哲学者のマルクス・ガブリエルは、「群衆の知恵」ではなくて、「群盲の知恵」と揶揄しています。今、ネットですぐに調べることができますけど、間違った情報を記載したものが検索ランキングの上位に出てくると、あとはそれの劣化コピーでしかない。
そして、「それを真に受けた人たち」がさらに流布するというパターン。だから1つの情報に対して伝播されるパターンって、実はいくつかに類型化できるし、バリエーションもそうないんですよね。真実を掲出して得するかどうかで考えると、あまり実生活や実社会に旨味が出ない話が多い。
公益に関することは別として。むしろ、ネットに書き込む手間や暇のコストがかかる。これは情報掲出に関するコストですね。それに掲出したからといって一般人には関係のない話が大半でしょう。なので、ネットの多くは、それを掲出することで利益誘導がはかれる話のほうに傾きやすい。真実を報じなければならないニュースや官報などは、むしろ価値が軽んじられてしまう。なぜなら、バリエーションがつくれないから潤沢化してしまうのです。
対照的に、「これを読んだら○○になれる」的な利益誘導型の情報や誰かの価値を毀損することで、誰かの価値を上げるためのフェイクニュースが大手を振るうわけです。そこでは実社会との逆転現象が起きます。情報を掲出する際のコスト(物理的・心理的)というものを考慮すべきです。
もちろん、なかには篤志家により公益のために掲出されているものが多いはずですが、良貨が悪貨によって駆逐されてしまう。さらには検索ワードが買えたり、アドテクが猛威を奮っているので、図書館で本を発見するのとは異なり、発見の不平等が存在しています。」
http://talked.jp/103/
構成:井尾 淳子
撮影:越間有紀子