建築考 : 別荘はその人のすべてがドバーッ!とでる表現物
建築家の坂野 正崇氏さんと雑談。
いろんなプロジェクトの話が楽しい。
普通に人が家を建てるとき、家族との住みやすさとか近所とのバランスとか、社会性をもって建てるものだ。
でも、リッチ層の別荘ともなると事情は変わってくる。
別荘を建てるような風光明媚な場所、場合によっては人里離れた場所にドーンと建てる場合、その施主の人間そのものがドバーッとでるらしい。笑
その立地を選ぶに至るまでの、その人の生い立ちから作りあげられたセンスまで、その人物の全てが現れるという。
坂野さんは、Google earthで地図を見るのが好きで、いろんな角度から、その地形や関連する道路や道無き道を隈なく見る。その場所から何が見えるか、見たいかなど夢想する。面白いなあ。
地球上でも人間ほど自然に逆らって生きている生物はいない。
自然と共生といっても、整地して基礎工事やって、コンクリ流して鉄筋建てるわけだしね。
以前、プラントハンターの西畠清順さんが建築家相手の講演で前座を務めたことがあった。その時、彼の話す内容が興味深かった。
「みなさんが、家を設計する時、建てる土地の自然を知って設計しますか?それとも、施主との話から建てますか?」
聞いていた皆さんは、ちょっとドキッとしたと思う。清順さんは、建物は、自然を考えた上で設計すべきと思っているわけだし、それが正しい姿勢と思う。
人間は、自然の産物なんだけど、文明を作る中で反自然の存在になった。それは悪いことではなく、都市化のプロセスが文明を作り上げてきた。だから、都会には自然はほぼない。
建造物をつくるときに、この自然との対峙が必ずある。反自然なものをつくるからこそ、そこの自然を知らないとできない。こういうレトリックがないと一流の建物もできないのだと思う。
ああ、頭のウォーミングアップになったぁ!
◆参考
2年前の対談です。
「人生の秘訣!いまをどう生きるか?以上。」
建築家 坂野 正崇氏 x コンサルタント 福 田 淳
http://talked.jp/68/