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モビリティの新しい可能性 : EV車の発展は、ガソリン車の未来ではなく街の未来をきめる。

2021年現在、車の未来を考える、ということは人のモビリティ(移動)をどう考えるかということになる。
コロナ禍で人の移動は大きく制限された。車というパーソナルな空間で移動できるニーズはますます大きくなった。反面、シェアライドなど赤の他人と一緒のサービス(電車も含め)は忌避されるようになった。
飛行機も電車もしばらくは無くならないが、密を避ける新しいUIデザインが求められる。気軽なロケットや空飛ロボカーができるまでの間、どうやって過ごすかが問題だ。
さて、話を街乗りのモビリティに戻す。
「EV(電気自動車)+自動運転サポート」を推進するために必要な開発与件は下記と考える。
1. 特定の街(観光地、避暑地など30キロ圏内)の移動を前提としたスマートシティ開発。遠くには行かない。
2. 道路の形状などの情報や既存車載車がセンサーで見た交通情報をディープニングさせた新しいマップ作成。(例えば、子どもか飛び出す交差点や事故多発のカーブの時間帯など)
3. 利用者の徹底した属性情報を共有化したデータベース構築。
個人にとって自由なバスみたいな存在。夕方、スーパーに行って、そのあと公園で一休みするなど一連の流れを車が学習。他人の情報と共有することで渋滞回避や、あるいは新しいコミュニティ作りにも活かせる。
そういう車を作るのに、既存の車メーカーができるのかわからない。むしろ、小回りの効くベンチャーの仕事かもしれない。
試作カーをつくるのは簡単。
すでに3Dプリンティングで110万円で作れる。
EV自動車「YOYO」(ヨヨ)は、イタリアに拠点を持つ香港のXEV社が車両デザインをして、中国の造形メーカーPolymakerと共同で開発を行った。製造拠点は中国という。
「YOYO」は、LSEVというカテゴリーに属するEV。LSEVとはLow Speed EVの略称(低速度向け電気自動車)
安さだけでいえば、中国でテスラ超えの大ヒットした激安EV「宏光MINI EV」(HongGuang Mini EV)は、なんと45万円!
メーカーは、上汽通用五菱汽車(SAIC-GM-Wuling Automobile=SGMW)
あるいは、自分で思うように躯体をテザインしたければ、EVの動力関連(パワートレイン系)は日本電産がモジュール化して、既に中国カーメーカーに販売している。
パワートレイン(powertrain)とは、車の動力源(エンジンやクラッチ、トランスミッション、プロペラシャフトなどを含む動力伝達装置)のこと。
日本電産のトラクションモータシステム「E-Axle」が中国大手の広州汽車傘下のEVメーカー、広汽新能源に採用された。駆動用モーター、インバーター、ギアが一体の「E-Axle」を供給している。
ソニーがEVカー「VISION-S」の試作機をCESで発表して話題になっているが、パワートレイン系(powertrain)は、オーストリアの自動車下請け製造会社であるマグナ・シュタイヤーがすべて行っている。
ソニーは、ボディやインテリア、インターフェイスのデザインを担当。
ソニーの最大の持ち味を発揮きできるのは、センサー技術だろう。EVが普及するのは、地球のこと考えても当然の流れとして、自動運転がどれくらい発達するかソニーの腕が試される。
ソニーの「Safety Cocoon」は、人の視覚を超えるセンシング技術で、車の周囲360度を徹底して見張り、同時にドライバーのコンディションなど、車室内の状況も注意深く見守る。さらにセンシングした情報をリアルタイムでドライバーにフィードバックすることで、安心・快適な移動空間をもたらすらしい。
いまは自動運転レベル5のうち、レベル2-3に過ぎないが、近未来にはハンドルもない自動車の時代が来る。そのときには、車の免許もなくなり、人が車を運転するのは禁止になるだろうね。
日本が高齢化し、インバウンド収入が国の未来だとすると、このあたりのベンチャーはもっと加速させなければならない。
◆参考
3Dプリンターをフル活用した低速EV車『YOYO』デザインは自由自在、可能性は無限大!/オートスポーツweb的、世界の自動車
中国でテスラ超えの大ヒット! 激安EV「宏光ミニ」をなぜ日本メーカーは作れないのか!? https://bestcarweb.jp/feature/column/236839
ソニーがCES2020で発表したEV「VISION-S」に世界が驚いた理由とは?
ソニーの安全・安心と快適のためのセンシング「Safety Cocoon」
「トヨタGRスープラ」の生産を手がけるマグナ・シュタイヤーってどんな会社?
【新】永守重信、日本電産の「第2章」を始める
パワートレイン専門メーカーのユニバンス、電気自動車メーカーのGLMと協業 機電一体型eアクスルを搭載したEV試験車両を開発 https://www.atpress.ne.jp/news/188236