アートインスタレーション【Fantastic Voyage】(増田セバスチャン) : 最小世界の最大想像力!
実験的なアートインスタレーション「Fantastic Voyage」に呼んでいただいた。
セバさん(増田セバスチャン)は、昨年からのコロナによるロックダウンで数々のプロジェクトが無くなり、アートに何が出来るか自問自答するため京都比叡山 延暦寺に心の赴くまま向かった。
そこで見た僧侶たちは、来る日も来る日も “考え”つづけていたという。
その時、このインスタレーションの着想を得た!
「今は(隔離された世界で)、
来るべき未来を想像するということが、
唯一、ポジティブな行為なのだ」
自粛生活という、究極なミニマルな暮らし。コロナがなければ、人間は世界中を自由に行き来できたのに、すべてが一時停止された。
本アートインスタレーションは、人一人はいれるほどの動くシェルターに人がはいり、思索に耽っている。
これはセバさんにとっての「ゴルディアスの結び目」なのだろう。最小になることで最大になれる、という可能性について考えさせられた。
文明を推進できるのは、人の想像力だけが頼りなのだ。それこそがアートの力といってもいいのかもしれない。
今回は、まだ実験段階の部分も多いというが、非常に完成度は高い。本作が体験型アートとして一般公開される日が待たれる。
Nao Tazakiさん、素晴らしいイベントに誘ってもらい感謝!
ちなみに、Fantastic Voyage」は、映画「ミクロの決死圏」(1966年)の原題である。
◆追伸: ゴルディアスの結び目(Gordian Knot)は、古代アナトリアにあったフリギアの都ゴルディオンの神話と、アレクサンドロス大王にまつわる伝説。この故事によって、手に負えないような難問を誰も思いつかなかった大胆な方法で解決してしまうことのメタファー。