デジタル技術が拡張する目に見えない世界の可視化(iPhone13pro)
人間は人間の能力を超えたいと思って、長い年月をかけて己の能力を拡張してきた。
耳の拡張が電話を発明し、目の拡張がテレビを作り、体験の拡張がVRとなった。
そして、今回発売されたiPhone13の新しい撮影機能は、肉眼では見えないミクロの世界を見ることができる。(最短2センチ)
2016年にパリのGoogle Cultural Instituteで見せてもらったギガピクセル「Art Camera」の体験を思い出した。
そのカメラでピーテル・ブリューゲルの『穀物の収穫』(1565年頃)を拡大すると…
6人の裸婦が池の畔で水浴びを楽しんでいる…と歴史的に思われていた絵画を、デジタルの目で拡大すると…
……実は5人と岩だった!
つまり、肉眼で見えないアートもデジタルを駆使して見ると、新しい世界が発見されたのである。
こういうテクノロジーの一般化は、身体の構造、ウイルスの正体など、まだ未知の微細な世界を知る手がかりになる。顕微鏡の発見が宇宙の構造の発見に役立ったのと同様に、ミクロの世界にも無限の可能性が秘めていると思う。
◆参考
世界初 VR GALLERY開設!デジタルの目で見る新しいアートの世界(2016年) http://spdy.jp/news/s6104/