建物はほぼ完成しているが、ガーデンは全く手付かずである。今回、仔細に周りを見てくれて、素晴らしいアドバイスと共に施工もやってくれることになった。持つべきものは友だちだ。

まず、基本的な考え方。「自然の森に帰る」

我々人類が勝手に作った建造物のせいで、世界中で多くの自然が破壊されている。ちなみに、うちのヴィラは崖地だったので、自然な緑は、ほぼ無かったが…。建築設計士はクライアントの意向に従うと、建物以外の環境を見ることができない。だから出来た後に、建物と環境に齟齬が生まれる。

以前、黒川雅之さんが主宰する「物学研究会」の講演で清順氏が登壇したことある。その時に集まった建築家の方々に彼は問うた。「みなさんが、建物を設計するときに、建物から設計しますか？それとも、自然環境から設計しますか？」この問いかけに清順氏の想いが詰まっているのは明快だった。

地球は40億年、人は5億年。人の住まいなど壮大な自然の前ではあまりにもちっぽけで、威張れた存在ではない。自然、緑の中を上手に間借りしていくのが本筋だろう。だから、自然の中に住まわせてもらっている、という感覚を忘れてはならない。

沖縄ヴィラで、一日過ごすと、日の出前から無数の鳥たちの鳴き声ではじまり、海風で森の葉がゆらめき、夜は煌びやかな星たちと共にある。自然を感じ、一体になれる。

それがプライベートヴィラ沖縄百名（THE VILLA Okinawa）であるべきだ。

いきなりハワイっぽいヤシを植えていきりたつ訳にいかない。数年かけてガジュマルや昼顔と共演できるような存在になろうと思う。

出来上がりを楽しみにしてください。