イギリスにみるアフターコロナの民主主義 : 政府からの絶対的命令から個人の責任へ
海に浸かりながら”民主主義”について考えた。
“民主主義”をググると「人民が主権を持ち、自らの手で、自らのために政治を行う立場。人民が自らの自由と平等を保障する生き方」とある。
「Democracy Index 2018」(民主主義指数)によれば、日本の民主主義の世界ランキングは年々下降している。メディアの多様性がないのが主な要因と考えられているが、わたしは人々の自立性にも要因があると思っている。
イギリスが、野党から批判はあるものの7月19日から「コロナは収束していないが、新型コロナウイルス対策として導入されているマスク着用義務やソーシャル・ディスタンシングなどの規制の大半を解除する」と発表した。政府の命令ではなく、個人の自己責任により感染を防ぐよう要請したのだ。
こんなこと日本の首相が要請したら、マスコミや人々からこてんぱんに非難されるだろう。以前、三宅島が噴火したとき、被害にあった島民のテレビインタビューを見ていたら「噴火したのは、石原都知事が悪い!」と本気で言っていた。驚いた。それくらい日本人は、お上に頼る自立性のない国民性なのだろうか。
イギリスの報道記事をみていると、わかりやすい。
「Shift from ‘government diktat to personal responsibility」(政府からの絶対的命令から個人の責任へ)
コロナはすぐに収まるものでもないけれど、政府としてはワクチンを2回接種しておれば、あとは個人が危険を判断し経済活動をしてください、と。これを無責任と考えるかどうかは、個人の民度にかかわっているのだと思う。個人の責任を個人の自由と歪曲すれば、それは社会不安を招くし、政府の再度の介入もあるだろう。政府が人々を信じているか?ということではなく、個人が社会を作っていると政府が考えるかどうかなのだと思う。だから、個人の責任は自分たちが考えるより大きいのだろう。
なので、我々は積極的にワクチンをうち、集団免疫を獲得し、以前の社会に戻せるよう頑張るべきと思う。誰かがワクチンをうつだろうから、そのうち収まるという考えではコロナから脱却できない。
そこを理解できないと、わたしたちは成熟した民主主義を手に入れることが出来ないだろう。
◆参考
英イングランド、マスク義務など解除へ 自己責任のコロナ対策訴え
http://a.msn.com/01/ja-jp/AALNPZf?ocid=st
福田淳のブログ「政治システムの実験としての民主主義を考えてみた」(2020/11/2)
http://spdy.jp/news/s7655/
Whatever Johnson says, we can’t defeat Covid with ‘personal responsibility’ alone | Stephen Reicher
https://www.theguardian.com/commentisfree/2021/jul/06/boris-johnson-policy-pandemic-restrictions?fbclid=IwAR3pLvb_QJE_WQ963lKa9tMDBlcXTJokQPfXmkrni16VX8vbar1aC_cbDLs