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「トップガン マーヴェリック」にみるハリウッドがNetflixに負けるワケ | 株式会社スピーディ

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「トップガン マーヴェリック」にみるハリウッドがNetflixに負けるワケ

どうしてハリウッドがNetflixに負けているか。
「トップガン マーヴェリック」(トップガン2と呼ぶ)を見るとよくわかる。
まず、最初の「トップガン」(トップガン1と呼ぶ)が公開されたのが、今から36年前の1986年。トム・クルーズ(1962年生まれ)が24歳のときだった。劇中の教官であり恋人役ケリー・マクギリス(1957年生まれ)は29歳。
今年公開され大ヒットした続編「トップガン2」で、トムは還暦60歳。ケリーは65歳。
ライバルだった”アイスマン”ことヴァル・キルマーもガンで声帯を失ったまま出演。劇中、不慮の事故で亡くなった”グース”の息子も準主役で出演。これほど、36年前の設定に拘ったキャスティングにもかかわらず、ケリーは出てこない。それどころか魅力的な新恋人役として51歳のジェニファー・コネリー(1970年生まれ)が登場する。
トリビア ネタとして、実はジェニファー演じるペニー・ベンジャミンも前作に名前だけ出ているそうだ。彼女の実年齢から類推すると「トップガン1」では15歳ということになるのだが…。詳しくは下記参照。
ハリウッドは長年多様性と無縁だった。白人男性至上主義は、ジョン・ウェインからトム・クルーズまで一貫した世界観となっている。もちろん、トムの人間離れした若作りの努力は尊敬すべきものがある。ここではそれを論じない。ハリウッド式キャスティングの不自然さが、多様性を求める21世紀に合っていないのではないだろうか。
「Sex And The City」(1998年-)の続編『AND JUST LIKE THAT』 (2021年-)で主役を演じるサラ・ジェシカ・パーカー(1965年生まれ)が、33歳から57歳まで本シリーズに出演し、年相応の年齢を演じ賛否両論を巻き起こしたのは記憶に新しい。
◆参考
白髪を隠さないのを褒めるのは止めてと語る「他の勇気ある人に拍手を送って」
漫画で言うと、「トップガン」は「サザエさん」だ。いつまで経ってもサザエさんは24歳のままだ。タラちゃんが成長することはない。一方、「巨人の星」は「Sex And The City」である。出演者は年月と共に成長し、年齢と共に死ぬ者もいる。それが人生だからだ。
Netflixが描くドラマは、多様性を表しているものが多い。いじめっ子のアジア人やカッコ付きでないLGBTQの社長が活躍したりする。それは現実に近くリアリティがある。もちろん、映画が人々に夢を与えてくれることを否定しない。いろんなタイプの映画があっても良い。
だがハリウッドは、いつまでも白人男性だけが若くてカッコ良いというキャスティングを続けていると、いづれ人々の支持を失うだろう。トムは、アベンジャーの一員ではない。
追記:
トム・クルーズとほぼ同年代の年月を歩んできた自分としては、「トップガン2」への共鳴が、叶わぬ不可逆的な人生の時間に対する憧憬であることを忘れたくないのだ。私は、いまの自分、これからの自分への期待で生きてゆきたいと思う。映画を見てスカッとした後、人生の時間について考えさせられた。

写真はミッドタウンに中庭で行われているルイヴィトンのPop-up。