すべてギグワーカーでつくるパンクな出版社スピーディ・ブックス!
スピーディ・ブックスを勢いで作ったはいいが、出版の実務について、私は、まるで素人なのである。
でも、多くの縁の下の力持ちによって成り立っている、ということをこの段階で述べておきたい。
スピーディ・ブックスの主戦場は英語圏である。
大きくは5つの作業パートから成り立つ。
1. フリー編集担当 井尾淳子
まず、わたしの新刊「パラダイムシフト、できてる?」は、全体のコンセプトや構成(メニュー)から先に作り始める。近未来の社会の在り方を万人にわかりやすいストーリーで作ることを心がけた。
各メニューに則ったインタビューを大学からの友人である担当編集の井尾淳子が福田にインタビューをして、一チャプターずつ作り上げていく。
長年一緒に仕事をしているので、微妙なニュアンスもわかりあっている。
2. ブラインドライターズ社
この録音物を視覚障害の方々でつくるブラインドライターズ社の小林直美さんをはじめとする、プロのスタッフの方々が文字起こしを担当してくれる。
いつも、文字起こしの最後に感想をいれてくれるので、単なる受発注を超えて嬉しいものだ。本当に頼りにしている。対談サイト「Talked」(トークド)の文字起こしもたくさん担当頂いているので、わたしの早口でも正確に文字起こししてくれる。
3. 校閲
校閲の大事さを理解していなかった。単にワードの「てにおは」機能程度の認識だったが、まるで違う。初版では、まったくプロの校閲がはいっていない。しかし、アドバイザーの堤伸輔さんからも「校閲に終わりなし!」と指摘され考えを正す。急遽、校閲のプロに依頼。二刷りから反映される予定。作者の意図が歴史的にも正しいのか問われるのがプロの校閲だ。↓下記、参照。
今回は、フリーのSさんにお願いした。小学館の学年誌・幼児教育関係書や世界文化社、KADOKAWA、ポプラ社、ミネルヴァ書房などのお仕事をされているプロ中のプロ。
4. gengo
スタッフの知人が始めたクラウドソーシングの会社。
翻訳者のレベルをgengoで管理してるので、こちらの予算や翻訳する内容によって依頼者が選べる。値段は、レベルによって 5-14円/ 文字。ビジネス本は一冊 6万文字くらいなので、総額54万円(単価9円)。伝統的な会社の英訳本の制作費が2-300万円だから、これが如何に安価なのかわかる。減少し続ける既存業界からの仕事より、クラウドソーシングの方が翻訳者の収入もあがる。
また英訳だけでなく、別の人がプルーフ・リーディングしてくれる。翻訳者選びは、最初のパラグラフを人種を問わずテスト翻訳してもらい決める。テイストの指示をすれば、何人かで数日で納品される。レベルもむちゃくちゃ高い。
https://gengo.com/ja/
5. ブック・エスプレッソ・マシーン
今回の自著の売れ行きは、やはり紙の本が70%。Kindleが30%である。日本はまだまだ紙離れが進まない。しかし、在庫のないAmazon社のPOD(プリント・オン・デマンド)での運用なので、在庫を持つことがない。しかもオーダーに応じて翌日配送というスピード感だ。
今回は、日本では学研パブリッシングがAmazon PODの代理店としてハンドリングしている。英語版はAmazon社との直接契約。
本の製造マシーンは、だいたい6分で一冊作り上げる。小気味良い映像をご覧ください。
以上、5つのにパートによってスピーディ・ブックスは成り立つ。
この制作過程で、一人の社員も絡んでいないのだ。
すべてギグワーカーによる出版社なのである。