講演「パラダイムシフトできてる?」主催: 東京中小企業投資育成(株)
東京中小企業投資育成(株)からの依頼で、若手経営者のみなさんへ講演をさせてもらった。
コロナ以降では初のリアル開催とのこと。完璧な三密対策された通気の良い部屋で、限られたお客さま相手に2時間おしゃべり!
コロナ以降の講演の在り方を変えようと考え、まずスライドによる講演部分をなくし、参加者の経営者の皆さんには課題図書として自著「パラダイムシフト」をご一読頂き、質問項目をもらうことにした。その質問をベースにひとつひとつ見解を述べ、双方向性のあるやりとりをさせてもらった。事務方によれば、みなさんの講演後の感想はホジティプだったそうなので、そうであれば良かった!
何人かが、本の冒頭にある「過去になくなった職業」をみて「自分たちもそうなりたくない。けど、どうやってパラダイムシフト起こすの?」という漠然とした不安を感じたようだ。
参加企業は、業種は多岐にわたっていたが、オーナー企業の二代目や長年続く老舗企業、特に製造業の方、部品メーカーの方が多かった。
わたしは、これからの日本を支える産業はブランド化された「部品産業」と考えている。
完成品としての日本の製造業(メーカー)は弱体化しているが、部品メーカーとしての日本企業は、いまも元気だ!
アップル製品には、ソニーの画像センサーやマイクロディスプレーがはいってる。
日本電産、TDK、島津製作所、オムロン、村田製作所など世界トップシェア企業はいくらでもある。精緻で完璧なモノ作りが得意な国としてリブランディングしていける。
そのためには、徹底したDXや AI解析など最新のテクノロジーを駆使した事業戦略が大事だ。それが町場の部品メーカーであっても同様。いやむしろ、小さい企業の方が変革も早く、より収益化しやすい。
鋳物の下請けメーカー三条特殊鋳工所の内山照嘉社長が、コロナ不況を乗り切るために、クラウドドファンディングを使い、はじめて消費者向けの世界最薄の鋳物の「UNILLOY」フライパンが大ヒットさせたことは、部品メーカーの誇らしい反撃といえる。
このようにパラダイムシフトがうまくいけば、日本の製造業の未来も明るいと思う。
書籍「パラダイムシフトできてる? ポストコロナ時代へ」(福田 淳)