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今泉今右衛門と佐賀と自分。

幼少期、お茶碗や湯飲みを割ってしまったとき、祖母(今泉鶴子)から怒られたことがない。
「陶器は割れるのが当たり前。割れないと売れない」と言っていた。
というのも、わたしは大阪生まれ大阪育ちなのだが、本籍は長らく「佐賀県佐賀市本庄町」だった。
父が本籍を佐賀から変えなかったからだ。いまでも墓がある。
わたしは、今泉今右衛門十二代目の玄孫にあたる。しかし、正確には今右衛門十二代の兄の玄孫なのだ。陶芸家は長男が継ぐことになっていたが、十二代は性に合わず弟に譲った。だから、幻の十二代なのである。
また、叔母は鍋島から福田へ嫁いできた。佐賀とは深い繋がりがあるのだ。
今回、久しぶりに有田に寄った。
古美術「西山」の西山保広さんに十二代の壺や皿をみせてもらい、いくつか譲ってもらった。
コロナの影響は有田にも及ぶ。飲食が不況だと器が売れない。
みなさんも、巣篭もり消費のひとつと思って、佐賀の焼き物に興味を持ってくださいな。