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ピクチャレスク(Picturesque)の時代を楽しめるジョン・コンスタブル展

世の中に写真が一般化したのは、1839年8月19日にフランス人 ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが発明したダゲレオタイプからである。これは、世界初の実用的写真撮影法だった。日本語では銀板写真と呼ばれる。
その後の産業革命(1837年)による好景気で中産階級からの肖像画需要に応えるために、写真技術が発展したわけである。1840年代のヨーロッパで写真は熱狂的に広まったが、スタジオで肖像画一枚を撮るのに、現在の物価に換算して10万円ほどかかった。
写真が普及する以前、人々が欲しかった肖像画(当時の自撮り)の需要に応えていたのは油彩画が一般的なメディアだったのである。
さて、そんな背景を考えながら、19世紀に活躍した英国を代表する画家ジョン・コンスタブル(1776-1837年)の35年ぶりの個展を見た。ターナー好きとしては堪らない作品の数々に興奮した。
ジョン・コンスタブルは、肖像画もさることながら、風景画を得意とした。コンスタブルの生きた時代は、産業革命前夜、写真の一般普及前夜であった。
人々は、ピクチャレスク(Picturesque)といって、 絵画だけでなく文学、旅行、造園など自然鑑賞ツアーなど複合的なライフスタイルを楽しんだ。
想像してみて欲しい。写真がない時代に目で見た風景を油彩画にすることが如何に前衛的な試みだったことか。
さあ、あなたもタイムマシーンにのって、200年前のイギリスの風景をゆったり味わってみてください。
◆開催概要
テート美術館所蔵「コンスタブル展」
場所: 三菱一号館美術館
東京都千代田区丸の内2-6-2
開催期間:2021年2月20日-5月30日
Kyoichi Ichimura、平間 至、他53人
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