街の天才をキャッチするためにプロデューサーがやるべきこと: 大橋裕之の場合
いまから13年前、吉祥寺で天才的な漫画家を発見した。
後に竹中直人、山田孝之、齊藤工が監督した映画「ゾッキ」(2021年4月2日公開)の原作者 大橋裕之である。
今でもはっきりと覚えている。(2008年8月30日のブログが残ってる!下記)
楳図かずお先生と食事した帰り、深夜、吉祥寺のセレクト本屋「BASARA BOOKS」(いまは無い)で、大橋さんの「週間オオハシ」を見つけて読んで興奮した!
自費出版だったが、4刷を重ねていた。方々の漫画雑誌の賞に応募しては、ことごとく落選したので自分で刷り始めたのだそうだ。
http://tabloid-007.com/archives/51473905.html
興奮した翌日、本人に電話して会うことになった。翌年の2009年1月には、「女主人公のはなし」「下駄」「あの部屋」の3作品をわたしがプロデュースして電子書籍として配信させてもらった。
それ以来、一枚一枚丁寧に書かれた大橋さんらしい年賀状を頂いた。(この葉書、最高でしょ?)
その後も交流は続き、時折 吉祥寺で食事したり雑談したりしたが、どんなに時間がたってもシャイなままの大橋さんだった。
ある時、絵を描いたと展示案内が来て、購入させてもらった。ガラクタ売ってる小道具屋でみつけた絵の上にペイントしたという。(この絵、貴重でしょ?)
http://tabloid-007.com/archives/51816380.html
2009年秋には「特殊能力なOLたち」という中編を描いてもらった。これはまだ単行本に収録されていないのではないかな?
http://tabloid-007.com/archives/51693239.html
2010年1月に配信を開始した『ニラんで!平田さん』は、今回の新刊「ゾッキC」に収録されている。
変わったところでは、2010年7月から半年にわたって、サンリオが売り出した『Peek・a・boo(ピーク・ア・ブー)』という可愛いキャラクターの絵本原作をやってもらった。
その後も『大橋裕之傑作選』(2013年8月 – 11月)『Winter LOVE』(2013年11月)『GOLD RUSH』(2013年11月)と長期にわたって作品を作り続けてくれた。
私がやろうとしたことも、大橋さんが語ろうとしたストーリーも時代に対して、早すぎたのかもしれない。でもそれで良い。
「浅田家」の浅田政志さん、「ソラリーマン」の青山裕企さん、現代アーティストのLyちゃんなど、その後の大活躍をみるに、コンテンツプロデュースは、自分でたくさん街を歩き、クリエイターと話して、そして只一緒に仕事をするしかないのだと思う。
才能ある人は街にいっぱいいる。だが、コンテンツプロデュースをする人は、単なるビジネスマンだから、街を歩ける時間は少なく見つけられない。
だから、これからエンターテイメントを目指す人は、ひたすら街を歩いて凄い才能を見つけ出して欲しいと思う。
検索で引っかかる人やテレビに出ている人を見ていても新しい才能は発掘出来ない。
ぜひ、大橋裕之作品を読んでみてください!
https://amzn.to/3wqbeRL