あの日のルーヴルから、東京まで「Rooted in the Cosmos」

2017年12月、パリのルーヴル。
エマージングアーティストの館の片隅で、僕は彼女の作品の前から動けなくなった。韓国のアーティスト、Tae Hue(テホ)。
声をかけた。けれど彼女は韓国語しか話せず、僕も身振り手振りで必死に伝えようとしたけれど、結局うまくいかなかった。それでも、いよいよ通訳を介してちゃんと話そう──そう約束していた最終日。
その最終日、テホは見事に最優秀アーティストに選ばれた。あの会場で、彼女の才能は誰の目にも明らかだった。最優秀アーティストに選ばれ、最終日にはその授賞式が予定されていた。
ところが、その日、会場でボヤが起きた。
混乱のなかで僕たちはお互いを見失い、連絡を取り合う術さえないまま、別れることになってしまった。名前と作品だけが記憶に残って、その後、彼女とは数年間、音信不通になった。
正直、もう二度と会えないと思っていた。
ところが──僕が投資している韓国人経営者の楊くんが、彼女を見つけ出してくれたのだ。あのルーヴルの再会が、こうしてつながり直すなんて、人の縁は本当にわからない。
そこからロサンゼルスでの数回の展示を経て、ついに今回、テホの作品を初めて日本で紹介できることになった。
今回はテホ本人も来日してくれる。
彼女の作品は、近づくと気が遠くなるほど緻密な点描の集まりだ。けれど、一歩、また一歩と離れていくと──点の一つひとつが、生命になり、風景になり、地球になり、やがて宇宙になる。
同じ一枚の絵が、距離を変えるだけでミクロからマクロへ、内面から宇宙へと姿を変えていく。草原に寝転び大地の鼓動を感じているようでもあり、宇宙空間から地球を見下ろしているようでもある。
この奥行きは、彼女の制作過程を知ると腑に落ちる。
テホは制作前に5〜8時間の瞑想をする。そこからさらに10時間以上、無数の点をひたすら打ち続ける。これを約3か月、ほぼ毎日。一枚の絵に、それだけの時間と祈りが沈んでいる。
スマホで何でもアートを「消費」できる時代。でもテホの作品は、画面越しでは何も伝わらない。自分の足で距離を変え、身体で受け止めたときに初めて、本質が立ち上がってくる。
つまりこれは「見る」アートじゃない。「体験する」アートなんだ。
あのルーヴルで言葉が通じなかった彼女と、今度は東京で、作品を前に語り合えたらと思っている。僕たちが忘れかけている生命や自然、宇宙とのつながりを、静かに思い出させてくれる時間になるはずだ。
ぜひ、自分の身体で体験しにきてほしい。
最後に、ひとつだけお願いを。
今回はなにより「アートを観に来てほしい」というのが僕の願いです。ですので、当日、僕への挨拶や名刺交換は遠慮させてください。気を遣わせてしまうのが本意ではなく、その分の時間と気持ちを、ぜひテホの作品そのものに向けていただけたら嬉しいです。あくまでアートに本気で関心のある方に、ゆっくり体験してほしい──そんな場にしたいと思っています。
どうぞご理解のほど、よろしくお願いします。
なお、入場は無料です。ただし、レセプションパーティにご来場をご希望の方は、以上の趣旨をご理解いただいたうえで、事前に info@spdy.jp まで「参加」とメールをお送りください。
事前のご登録がない方のご入場はお断りしておりますので、あらかじめご了承ください。
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◆ Rooted in the Cosmos
Tae Hue(テホ)東京初個展
◆ レセプションパーティ
2026年7月17日(金)17:00〜20:00
作家本人も来場予定
会場:
Creative Space Akademeia 21 Harajuku
東京都渋谷区神宮前5丁目27番7号 アルボーレ神宮前 1F/2F
https://creativespace.akademeia21.ac.jp/access/
事前申し込み制: info@spdy.jp に、「お名前」と「参加希望」とご記載の上、メールをお送りください
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■Rooted in the Cosmos
・会期
2026年7月18日(土)~8月9日(日)
平日 …12時~19時
土日祝 …11時~19時
※火曜日休廊



