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雑誌「GOETHE」(ゲーテ)連載『福田淳流やってみなはれ! やってみた。』ー「年間1/3をホテルで過ごす連続起業家・福田淳が、20年通うお気に入りホテルとは」

今回のテーマは「ホテルと旅」。
僕は年間の1/3をホテルで暮らしています。理由はシンプルで、そこでなら“誰でもない自分”に戻れるから。
その原点は、大阪の実家を出て初めての東京一人暮らし。上京したての頃、よく池袋を歩き回りながら思ったんです。「これだけ人がいるのに、誰も僕を知らない」。知り合いだらけの地元とは大違いで、その「無名性」が10代の僕には本当に感動的でした。
ホテルは、その無名性をいちばん心地よく味わえる場所です。都市ホテルには、干渉しすぎず、でもさりげなく気遣う、あの絶妙な距離感がある。誰とも顔を合わせず、何ひとつ不自由しない。何者でもない、ただの旅人として一晩を過ごせる。背負っているものをぜんぶ下ろして素の自分に戻れるから、また軽やかに動き出せるんです。

面白いのは、誰でもない自分になると、街のほうから物語が近づいてくること。先日、松山に前乗りした夜、目の前を絶世の美女が通り過ぎ、つい目で追うと狭い路地へ消えていく。誘われるように入ってみたら、自力では絶対たどりつけない大皿料理の名店が。上階のスナックに寄ったら——なんと、さっきの美女が(笑)。お店の娘さんでした。誰でもない旅人として街に溶けこんでいたからこそ、舞いこんだ出会いでした。

「移動距離とクリエイティヴィティは比例する」。僕も心からそう思います。日常を離れ、誰でもない自分になる。その余白からしか生まれない発想がある。さて、次はどの街で旅人に戻ろうか。

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https://goetheweb.jp/person/article/20260417-fukuda-15

★写真は淡路島の酵素風呂「SUN燦」

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