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世界的な”金あまり”がつくる蜃気楼のようなアートマーケット

2021年4月。
コロナ禍で一般の人は実感ないだろうが、全世界的に”金あまり”なのである。
過去には、こういったバブル時代が何回かあり、いずれも崩壊している。
1992年のバブルの崩壊は、銀行が担保なくても不動産購入資金を拡大融資し、土地が異常な値上がりをした。それらを食い止めるため金融緩和政策をやめたことで呆気なく崩壊した。
2008年のリーマンショックは、信用力が劣る人への住宅ローン(サブプライム)がたくさんの遅延によって破綻。バブル時のような金融緩和からの資金吸い上げではなく、世界的な信用収縮によって崩壊した。
そして、2021年。
今は、コロナバブルと呼ばれている。
新型コロナウイルスの感染拡大により、各国が競うように「緩和マネー」施策をとり、株や暗号資産(仮想通貨)が高騰している。
現在のところ、過去のバブル崩壊のような資金の吸い上げが起こる可能性は低く、企業の株価や業績実態に比べて株高である。
このような背景から、現代アートにも大量のマネーが投下されている。先日の「アートフェア東京2021」(2021/03/18 -19日)では海外からのコレクターがいないにもかかわらず活況を呈していた。従来の古美術を買っていた層が影を潜め、日本のIT長者たちが資産としての「現代アート」を買い始めたのだ。
フェアの2ヶ月前。SBIアートオークションが東京・代官山で開催したオークションで、ロッカクアヤコ作品が落札予想価格は1000万~1500万円に対して、2600万円(手数料別)で落札された。
このようにコロナ禍の不思議な停滞の中で巨額マネーが漂っている。
いつか来た道にならないことを祈る。
◆参考
IT系起業家が買いまくる「アート投資」の超熱狂 値上がり見越して、マネーが大量に流れ込む | 東洋経済オンライン
コロナバブルでお金の本当の価値は減っている 大切な資産を守るためにはどうすれば良いのか | 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場 – 東洋経済オンライン