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パイオニアタウン──ハリウッドが作った「嘘」が、本物になるまで。

カリフォルニアの砂漠にある、パイオニアタウンに行ってきた。
ここは1946年、ハリウッドが作った「嘘の町」だ。
ロイ・ロジャースやジーン・オートリーら17人の映画人が、一人500ドルずつ出資。西部劇のセットを建てた。ただのセットじゃない。ファサードの裏にはボウリング場、アイスクリームパーラー、モーテル。撮って、泊まって、遊べる町。50本以上の映画がここで生まれた。
西部劇ブームが終わり、町は忘れられた。
ところが今、ここは音楽の聖地になっている。町のロードハウス Pappy & Harriet’s。2016年、ポール・マッカートニーがここでサプライズギグをやった。観客244人。客席にはデヴィッド・ホックニーがいた。翌年はLordeがコーチェラ前夜に20ドルでライブ。キャパ350の店に、世界のトップが吸い寄せられる。
フィクションとして作られた場所が、80年かけて本物になった。
コンテンツが先で、町が後。物語が土地に実体を与える。

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