久米島の海にポツンと浮かぶ「シールガチ橋」。なぜ、こんな場所に橋があるのか?

久米島で、不思議な橋に出会った。
「シールガチ橋」。
海の中にポツンと橋だけが立っていて、なんともシュールな光景だ。
なぜ、こんな場所に橋があるのか。
昔、この辺りの海はとても浅く、潮が引くと島の人たちは海の上を歩いて沖の漁場へ向かっていた。
その後、漁船が漁場を移動しやすくするため、浅いリーフを深く掘って船の航路をつくった。
ところが、そこで問題が起きた。
船は通れるようになったけれど、深い航路によって、今度は人が歩いて漁場へ渡れなくなってしまったのだ。
そこで考えられたのが、
船は橋の下を通る。
人は橋の上を渡る。
というシンプルな方法。
こうして1996年、航路をまたぐためのシールガチ橋がつくられた。
つまりこの橋は、観光のためにつくられたものではない。
「船を通したい。でも人も海を歩いて渡りたい」
その両方をかなえるための橋だった。
そして30年後の今。
干潮になると海底から道が現れ、その途中に突然、立派な橋が現れる。満潮になると周囲は海に沈み、橋だけが海に浮かんでいるように見える。
そのあまりにもシュールな風景が、今では久米島の観光スポットになっている。
必要に迫られてつくられた橋が、30年後には観光名所になる。
歴史を知ってから見ると、この不思議な橋がちょっと違って見えてくる。





