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Speedy Farm: インド発のスタートアップEF POLYMER社 feat. OIST(沖縄科学技術大学院大学)

Speedy Farm
沖縄で農業に携わって10ヶ月。
やればやるほど課題が明らかになる。
新参者しかわからない問題点として、”日本には豊富な四季がある”という思い込みが、農業の近代化を遅らせたのではないかと考えている。
1972年まで日本の農業は世界でもトップクラスだった。そこから、米を一粒たりとも入れぬ、という鎖国政策のせいで国際競争力は失われた。農作物の内外価格差が8倍以上。農家の収入の半分は税金による補助金で賄われ、IT化やロボティクスなどへの投資もできず、日本中に耕作放棄地を増やしてしまった。
そこへ気候変動による温暖化で干ばつ地が増え、ますます先細りとなっている。日本に四季はあっても恵みの雨は減っている。イスラエルのような元々あまり降雨がない国の方が多くの農作物を収穫している。キーになるのは、灌水(ドロッピング)なのである。しっかりとデータで管理された状態から液肥を加えた水を与えなければ農作物は安定的に収穫できない。
いまや農業は、農業ではなくIT産業(アグリテック)なのである。日本と同様、農業もDX化していかなければ未来はない。
さて、今回沖縄が誇るOIST(沖縄科学技術大学院大学)とインド人研究者の2人が創業したスタートアップ「EF POLYMER社」を紹介したい。
バナナの皮などの生ゴミを原料とし、干ばつや土壌劣化の問題を解決するオーガニックポリマー(有機化合物)を3年かけて開発。
・水不足解決=重量の100倍水を吸収
・土壌改良=ビタミン、ミネラルの栄養素を肥料へ
・ゴミ問題解決=土壌内で生分解される
このEFポリマーを早速スピーディファームに投入した。他の実験では、農作物が1.2-1.6倍の成長を遂げている。サーキュレーションエコノミーの実現に大きく貢献している。干ばつの多いインドで3千の農家が採用。沖縄でも100の農家が採用している。
こういうイノベーションが起きるのが沖縄のカルチャーだ。
今年の夏の収穫が楽しみである。