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異常気象、エネルギー、熱波、原発、核融合。

暑い….。本当に暑い。もう溶けてしまいそうな暑さだ。今週は、東京でも35度くらいが当たり前で、銀座のアスファルトの上だと体感40度くらいある。
政府は、「熱中症にならないように冷房をかけつつ、電力を節電して!」とエネルギー政策の手詰まり感しかない状況を露呈している。
8月には、今年二度目の電力使用料値上げが予定されている。停止していた火力発電所の稼働もはじまる。電気料金が上がると、さらに物価も上がっていき、今年の景気にも悪影響を及ぼす。
4月7日。宮城県沖で震度6の地震があり、東京でも停電になった。その事柄をベースにロサンゼルス・タイムズでは「日本はヒーローになるチャンスを失った」という記事が掲載されていた。それは、ウクライナ紛争の影響でロシアからのエネルギー源が絶たれたドイツなとヨーロッパ諸国が買うべき化石燃料が枯渇していく。日本が18基の原発を再稼働させれば、世界第二(米国、日本、韓国)の化石燃料の購入国として、それをヨーロッパに渡すことができ、日本はヒーローになれた」というものだった。なるほど、世界のそういう見方もあるのか。
長期的な地球温暖化による人類存亡の危機は理解できるが、短期的な電力不足によって年配者やみんなの命の危険に晒している状況とどう折り合いをつけていけば良いのだろうか…。
福島の原発事故をそのまま放置(11年経つ…)し続けている国の責任は重い。安倍前首相が言うような「完璧なコントロール」とほど遠い対応が、国民の原発に対する不信感を増大させた。しかし、不測の事態が起きてしまったからこそ、問題の本質を隠さず、みんなが納得できる新しい厳しいルールを制定すべきではないのか。このまま自然エネルギーが増大しても、EV普及や多くの電力製品の膨大な需要に対して賄えると思えない。その前に夏は40度以上になってしまうかもしれない。小説「The MInistry for the Future」に描かれているように熱波で多くの人が亡くなる事態も想定される。エアコンが普及していないフランスでは、2003年8月初旬に8日連続で40℃以上の気温が観測され、この熱波の影響で、75歳以上の高齢者を中心に14,800人以上の方々が熱波で亡くなった。人類の将来といまいる現実とのギャップを埋めなければならない。
原発を再稼働させるしかない。失敗をベースにみんなの叡智を集め、きちんとマネージされたオペーレーションを行うときではないか。フランスでは原子力発電割合 70.1%にも及ぶ。
さらに、世界的には核融合による安全な原発の開発も進んでいる。ビル・ゲイツやジェフ・ベソスたちが核融合ベンチャーに数百億円の投資をしている。核融合は、現在の核分裂をベースにした放射能が拡散する心配がない。
こういった新しい技術に対する関心をもって生きていくことで、考えても見なかった未来が見えるかもしれない。多チャンネルが始まるまでCNNで世界を同時に見ることなんて想像できなかった。インターネットができるまで自分の意見をこんなに簡単に世に問うことができるなんて思わなかった。スマホができるまで、銀行に行かないで振り込みができるなんて思わなかった。
人や企業は、先を見通しているようで、実はまるで見通せないものかもしれない。だから、気の遠くなるような暑さの当事者である自分達が、事態の改善を考えていくべきと思う。
◆参考記事
ベゾスとゲイツが核融合で熾烈な競争 ―大富豪のリスクマネーは有用