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谷岡ヤスジの漫画は、永遠に不滅!(感謝!秋田県横手市 増田まんが美術館さま)

 

今から、8年前の2014年12月25日。
当時、社長を務めていたソニー・デジタルエンタテインメント社で『谷岡ヤスジ全集』全24巻を刊行した。過去に単行本になってない作品も含め、すべての作品を完全網羅。
デジタルの会社がリアル出版を出せる可能性について興奮した。
Amazonが始めたばかりの新サービスPOD (Print On Demand)は、注文ごとに1刷ずつ本を作ってくれる。ペーパーバックみたいな仕上がりで翌日には届くから画期的だった。つまり、在庫なしに永遠にパブリッシングし続けることができると思った。(Amazonが潰れない限り…)
版権管理は、奥さまの谷岡まち子さんが行っていたが、ビジネスに疎いというので私がライセンス事業を手伝っていた。この全集を編纂したことは、自分にも大きな自信になった。(それが後のSpeedy Booksの立ち上げや高陵社書店の買収へ繋がる)
まち子さんに「これで谷岡マンガは永遠に不滅です!」と話したものだ。
わたしのメンターである内田勝さんがプロデュースして生まれた谷岡マンガの世界。
生み出された多くの流行語は今もみんなに使われている。 「ダサい」(ダメな野菜)や所ジョージのCMでお馴染みの「アサー!」とか「鼻血ブー!」とかたくさんある。
その谷岡マンガの世界を守り抜いた谷岡まち子さんも今年鬼籍に入られ、ソニー・デジタル社も私の社長退任とともにこのサービスを終了していた。非常に残念だ。歴史的に必要なものを残せなかった。
その後 ソニーで預かっていた谷岡ヤスジの生原稿や貴重やポスターやちゃぶ台など、誰が保管しているのか月日とともに忘れてしまっていた。
ところが、それらの貴重な資料類を長年のビジネスパートナーである福永真里くんが自腹で埼玉に倉庫を借り長年保管してくれていたというのだ!(涙)
まち子さんの逝去と共にアメリカ在住の一人娘である谷岡まやちゃんが来日。遺品の整理と共に、谷岡ヤスジの貴重な生原稿などは、秋田県にある「横手市増田まんが美術館」(館長 大石卓さん)が全量引き取ってくれた。
何人かの良識ある個人によってバトンが継承され、このような奇跡が起きた。もの凄く嬉しい。心が揺れ動いた。本当に福永くんに
は敬意を表したい。
(谷岡ヤスジ→内田勝→谷岡まち子→福田淳→福永真里→谷岡まや→大石卓さん)
デジタルが永遠だなんてとんでもない誤解だ。人が紡ぐアナログな想いと脈々と受け継がれるストーリーこそが永遠なのだ。
追伸
みなさん、この話しは日本の知的財産の継承を考える大きなキッカケになると思います。ぜひシェアやコメントなど頂けると嬉しいです。
一人でも多くのマンガ家の財産を後世に残すことが日本人の責務と思います。
◆参考
今は買うことができないデジタル残骸の跡