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コロナ後のワーク・ライフ・バランスを考える

もともと、世界中を旅して どこでも仕事ができる人、主に情報産業の人だと思うが、そういうデジタル・ノマド(ネットを駆使して遊牧民的に仕事する人)にとって、ステイホームは、他の人より苦にならない。いつもの仕事のやり方と、さほど変わらないからだ。

日本人は、世界最高のパスポートをもっている。ビザなしで191カ国以上も旅ができる国は他にない。アフガニスタンに生まれたら26カ国しかいけない。だからといって、コロナ以前から日本人が頻繁に旅をしていたわけではない。むしろ、インバウンドは増えてもアウトバウンドは先進国では最下位に近いほど出不精な国民だ。

ステイホームのいま、大半の日本人ビジネスマンは、家でどうしていいかわからない。普段は行かない公園に夫婦で連れ立っていくのは、窮余の策なのかもしれない。

旅をしたり、人を愛することが苦手な国民が、図らずも直面したメンタルヘルスの危機なのである。死ぬほど働くことに慣れたビジネスマンが、家庭にいるのは試練だろう。
コロナ前は、仕事人から家庭人へ戻るためにスナックやバーが機能していた。日本に欧米ほどカウンセラー(精神科医)が必要なかったのは、このスナック文化があったからではないかと思っている。

コロナ禍で自分を立て直すためには、ロックダウンの解除ではなく、仕事と遊びのワーク・ライフ・バランスを見直し、家族にとって心地いいメンタルヘルスの在り方を考えることが必要なのかもしれない。