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SNS炎上防止の心得 : 寛容であること、他人を認めること、そして優しさを忘れないこと。

 

ある炎上対策の仕事があった。

専門の弁護士が誹謗中傷している人を特定し、どんどん内容証明を送りつける。
無意識にシェアしているだけの人たちは、その投稿をすぐに取り下げる。しかし、最後まで取り下げない悪質な10人を特定し、その中の数名の住所を割り出した。
代理人が訴状をもっていくと…。なんてことはない、それらの人は、気の弱そうな中年男性のサラリーマンだったらしい。ここでのポイントは中年男性キモっ!って話ではない。一見、普通の人たちが悪質な書き込みの犯人であることに驚きがあったのだ。

SNSでの人の行動は、その物事を検証せず、いやそれどころか殆ど脳で咀嚼することなく、脊髄反射(ネットで何も考えずに反応すること)で拡散の手助けをしてしまう。そして、それが最悪の場合、殺人幇助になっていることにも気付いていない。

無実の人は、その無念をはらすことも出来ない。泣き寝入りである。眠りから覚めても悪夢は続いているのだ。ずーーと。

まったく事実ではないネット記事は永遠とも思えるほど被害者の後の人生にも悪影響を及ぼし続ける。

特に芸能人は、そういう被害にあうことが多く、近年ではその噂をベースにクライアントが起用を敬遠するので、タレントの価値が匿名の無責任な力に負けることになる。それはコロナで職を失うよりはるかに理不尽で、いまのところワクチンの開発着手にすら至っていない。

タレントも普通の人間であり、生活がある。しかも、サラリーマンのように長期的な生活が補償されているわけではないので、命がけの商売だ。中には「好きでやってるから、いいじゃない」という人がいるが、好きな仕事を非難されるいわれもなければ、それを理不尽な形で奪われて良いということにもならない。

芸能人も政治の話しもするし、不倫もするし、たまに南の島で羽を伸ばしたりするさ。
みんなが、どんな自粛で退屈してても、どんなにワイドショーとネットしかみてなくても、人として、普通に対面してできる振る舞いを忘れてはいけない。

自分にも改めて言い聞かせる。

寛容であること、他人を認めること、そして優しさを忘れないこと