Speedy NEWS

PCRを発明したキャリー・マリス博士の面白人生

PCRという言葉は知っていても、PCRを発明した人のことは知らないだろう。

キャリー・マリス(1944年生まれ。残念ながら昨年74歳で逝去)は、1980年のある日、ガールフレンドを送るためシビックで夜道を走っていたら、突然PCRの原理を思いついた。車を止め彼女を放ったらかしにしてノートに書き留めた。それが遠因でフラれたww

ちなみに、マリスは4回の結婚歴とLSD逮捕歴がある。

マリスが考えたPCRの仕組みが、あまりにも突拍子もなかったので、しばらく誰も相手にしてくれなかったらしい。ちなみに、PCRとは、DNAの大量コピーの新しい手法である。

それをまとめた論文は「NATURE」も「SCIENCE」からも掲載を断られている。
あまりにも、世紀の大発見が世に認められないので、その権利を勤めていた会社(シータス社)に安価で売ってしまったことを生涯悔やんだ。

しかし、マリスはその10年後にノーベル化学賞(1993年 49歳)を受賞してしまうのだ!

カリフォルニア在住(ラホイヤ)のサーファーで、あちこちで“女性問題”を起こす大麻の常用者だったが、彼の自伝を読むと、宇宙人と遭遇した話、日本の皇后さまに “かわい子ちゃん”(Sweetie)と声をかけたり、毒蜘蛛と格闘したり、OJシンプソン裁判で法廷にでた話など、全力で人生楽しんで生きた人だったんだろうな。

また、HIVウイルスがエイズの原因ではないと発見者のロバート・ギャロ(アメリカの国立保健研究所)を批判、オゾンホールの発見者であるモリーノにも何度も科学的な挑戦を挑み地球温暖化の根拠はないとした。みんなが当たり前と思っていることに疑問をもつことが科学的な視点だし必要な議論だと思う。

「地球の未来は、人間の思惑とは無関係に展開していくのだ。人類は太古から、大海に打ち寄せる海岸に、身を寄せあってひっそりと暮らしてきた生物にすぎない。どんな環境であっても人類はその場に居合わせただけである。もちろん環境は人間にとって優しいものではない。しかしそれはこれまでもすっとそうだった」

本当にそう思う。

ご興味ある人は、下記の本を読んでみて。邦題がひどいね。
「マリス博士の奇想天外な人生」(Dancing Naked In The Mind Field)
https://www.amazon.co.jp/dp/4150502900/